出雲族の出身は古代インドのドラヴィダ地域だった!? 古い神社や祭神にまつわる不思議なハナシ
「空白の4世紀」と弥生王国の謎
現代にも祀られ続ける神社で、古い歴史をもつ神社や祭神には不思議な話が付きまとっているように思います。またさまざまな伝承には話が大きすぎて、とても信じがたいものもあります。
■古代日本の信仰と神話のロマン
今回はとても不思議で、ある意味古代歴史ロマン満載の話をいたします。
人間は大昔から、何らかの信仰心を持ち、人知の及ばない不可思議な力を感じていたのでしょう。縄文時代の遺跡から発見される祭祀跡や土偶、弥生時代の神祭り、そして古墳祭祀などを見るにつけ、その信心力を強烈に感じますし、その祭祀跡を調査すると、当時の人々の精神世界を推察するヒントを得ることができます。
古代の神は地域によって無数にあがめられていたと思えますし、その神々には生まれたきっかけや出身地域の話も添えられていることが多いのです。
そしてその「神」というものが日本列島固有の存在でそのまま純粋に伝承されているのかというと、そうとばかりは言えないようです。
たとえば欽明朝538年に百済から公伝した仏教などはその最たるもので、古代インドの神々も習合して尊崇されていますし、神社に祀られている古来の神々も同じです。
仏教伝来以前の神々について少し調べてみました。神様にもさまざまな種があり、いずれも日常の暮らしのなかで重要な分野を受け持ってくださいます。大和王権の神話には造化三神から国生み・神産みと続いて神は八百万となっていきます。さすがに神だと思わせる話もあれば、実に人間臭い話もあり、神話への興味は尽きません。
創建も不明なほど古い神社にはさまざま不可思議な伝承が残されています。そんな中で、「蛇」を信仰の対象とする話を取り上げてみました。神と蛇の関係する話はあちらこちらにあり、龍神信仰とも共通して主に水の神として祀られている場合が多いようです。
わが国最初の神社といわれる奈良県桜井市の大神(おおみわ)神社にも白蛇伝承がありますし、出雲大社にも龍や蛇にまつわる話があります。考えてみると八岐大蛇(やまたのおろち)もそうですし、出雲系の古社では藁で作った蛇を木に巻き付けるという風習もあります。一説には注連縄は蛇から発想した物であるという話もあります。

出雲大社の大注連縄。そういわれると蛇が絡み合っているような姿にも見えるか?
撮影:柏木宏之
出雲神話に登場する「ワニ」はサメの事だといわれ、「おろち・龍」は蛇で、しかも海蛇だという説があり、海蛇の中でも毒のある「セグロウミヘビ」だと考えられています。
さらにまことに不思議な話としては、古代出雲族の出自を語った古伝の一つに「出雲の祖先は鼻の長い動物のいる国からクナト王に率いられて海を渡ってやって来た」というものがあります。はあ???と驚きますね! 鼻の長い動物といえば象しかいませんし、どうもその動物とはインド象を指しているようなのです。
日本人の祖先でもある出雲族の出身が古代インドのドラヴィダ地域だというのですから、かくゆう私も責任の持てない領域の話のような気もします。ただ未解明の日本語のルーツを探ると、タミル語との類似も指摘されています。
タミル語はまさにドラヴィダ語族だとされています。人がやってこない限りことばや文化は伝来しませんし、その痕跡や片鱗が残っているとするなら、古代の日本列島に「鼻の長い動物のいる国からクナトという王に率いられてやって来た人」がいても不思議ではないのかもしれません。

出雲神話で描かれる、八上媛への求婚の場面。出雲神話の担い手である出雲族は、古代インドから来たのだろうか?
出雲大社の摂社に出雲井社がありますが、ここの祭神が「岐神」と書いて「クナドの神」と読みます。
「クナト王」との類似性にドキっとしますが、両者を結びつける証拠などは一切ありません。さらに想像を逞しくすると『魏志倭人伝』にある卑弥呼の敵対する国は狗奴(クナ)国ですからますますドキドキしますね(笑)!
このように古代神話や古来の伝承にはとても日本列島に納まりきれない広大無辺な話があります。それを科学的に、合理的に、学術的に真実かどうかを判定することはおそらく出来ないでしょう。しかしめちゃくちゃ楽しめる話ではありませんか?