米「相互関税」回避へ各国の動き本格化…トランプ氏「多くの国が我々との交渉に来る」
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【ワシントン=田中宏幸、ブリュッセル=秋山洋成】米国が9日に第2弾を発動する「相互関税」の回避に向け、各国が交渉に乗り出している。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は7日、トランプ米大統領とホワイトハウスで会談し、関税撤廃を直談判した。欧州連合(EU)は全ての工業製品について、互いに関税撤廃を呼びかけた。

トランプ氏はネタニヤフ氏との会談後、記者団に「多くの国が我々との交渉に来る」と語り、今後、相互関税の見直しを求める交渉が本格化するとの見通しを示した。2日の相互関税の発表後、トランプ氏が外国首脳と対面で会談するのは初めてだ。
ネタニヤフ氏は記者団に、米国が抱える貿易赤字を「迅速になくす」と述べ、トランプ氏の意向に沿って貿易関係を見直すと約束した。「貿易障壁を撤廃する」とも語った。ただ、トランプ氏は貿易赤字や多額の軍事支援を理由に、予定通り計17%の相互関税を課す考えを示した。

EUの執行機関・欧州委員会は7日、米国に対し、自動車など全ての工業製品の関税を互いに撤廃するよう提案したと明らかにした。トランプ氏は、EUによる米国製自動車への関税率の高さを問題視しているためだ。ウルズラ・フォンデアライエン委員長は記者会見で、「良い取引ができるよう準備している」と米国に呼びかける一方、「対抗措置で自国の利益を守る用意もある」とも述べた。
フォンデアライエン氏は8日、中国の
ベトナムも米国に関税を撤廃する意向を伝え、同様の措置を米国側に求めた。最高指導者のトー・ラム共産党書記長が4日、トランプ氏と電話会談している。
タイ政府は6日、「米国への投資を促進し、障害となっている輸入条件を緩和することを交渉する予定だ」との声明を公表し、米政府に交渉を呼びかけている。