【特集】世界へ羽ばたく生徒たちを後押しする英語教育…アレセイア湘南

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 アレセイア湘南中学高等学校(神奈川県茅ヶ崎市)は、海外大学に進む際に必要な基礎知識が学べる「ファウンデーション」を校内に開設している。これを受講することによって通常より1年早く入学が可能になるという。さらに今年度は「IELTS対策講座」や校内の「イングリッシュブーストキャンプ」を開始。海外大進学や広く英語習得に熱意を持つ生徒をさまざまな仕組みで後押ししている。

校内「ファウンデーション」で1年早く海外大へ

(左から)佐々木先生、古賀先生、辰巳先生
(左から)佐々木先生、古賀先生、辰巳先生

 「英語の課外講座や海外語学研修を充実させている本校には、『アレセイアで英語を学びたい』という生徒が数多く入学します。将来は海外大学に進学し、英語を使ってグローバルな仕事をしたいなどの希望を抱いている生徒も多く、そうした思いを後押しできるよう、授業やさまざまな制度によって日々、生徒の英語力と国際的なコミュニケーション力を伸ばしています」と、英語科主任の佐々木洋太先生は話す。

 そうした生徒たちにとって大きな後押しとなっているのが、10年以上前から校内で開設している「ファウンデーション」だ。「イギリスの大学などでは、海外からの入学者に対し、『ファウンデーションコース』という1年間の準備コースを課しています。海外では学年の開始が9月であるため、3月に卒業して9月に入学、『ファウンデーションコース』を1年履修となると、1年半を準備に費やすことになってしまいます。それを短縮するため、本校は国際大学連合(I.F.U)と提携し、校内での『ファウンデーションコース』を実現させました」

 同校は、毎年数人の海外大進学者を出しているが、校内の「ファウンデーション」を受講することで、生徒は卒業した年の9月には海外大学の専門課程に入ることが可能だ。これにより、留学後の準備期間を通常より1年間短縮することができるという。

 「ファウンデーション」は、高校生の希望者を対象に、週2回放課後に、ネイティブの教師により行われる。受講資格は実用英語技能検定準2級以上で、選考試験が行われる。今年度は16人の生徒が参加しているという。「海外のテキストを使用し、イギリスの大学で受けるのと同じ内容で実施しています。海外大学進学希望者のほか、東京外国語大学や上智大学などで外国語を学びたい生徒も参加し、互いに (せっ)()(たく)() しています」

 国際大学連合は、イギリスのバンガー大学、西イングランド大学などの6大学で構成されており、同校の「ファウンデーション」を受講して試験に合格すれば、選んだ大学に指定校推薦で入学できる。例年2、3人が推薦で進学を果たしているという。また、「ファウンデーション」履修済みという実績を持って、指定外の大学へ自分で出願することも可能だ。

 海外大学進学の利点について、学習進路課主任で英語科の古賀恵一郎先生は、「就職状況がまったく違ってきます」と言う。「海外大合格が決まってから『ボストンキャリアフォーラム』という主に海外大生を対象とした就職フォーラムに参加し、学期が始まる前に企業からオファーを受けた生徒がいます。大学を卒業してから海外で就職してもいいし、帰国しても英語力の高い人材として注目される。将来の選択肢が大いに広がります」

 今年度は、留学生の英語力指標として使われる英語力測定試験「IELTS」の対策講座も開始した。「スピーキングやライティングなど、海外大での学びに直結した高度な内容が詰まっています。夏休みに5日間開催したところ22人の参加があり、生徒たちからは『またやってほしい』という声が上がっています」と古賀先生は話す。

中学生向けに「イングリッシュブーストキャンプ」を開始

中学生を対象に8月に実施した「イングリッシュブーストキャンプ」
中学生を対象に8月に実施した「イングリッシュブーストキャンプ」

 こうした高度な英語を学ぶ以前に、日常的なコミュニケーション力を育てようと同校が約15年開いているのが、放課後の「国際英語塾」だ。「レストランでの注文の会話などを練習し、ネイティブの教師との会話を楽しむことを目的としています。高1・高2を対象に行っていますが、生徒の関心は大変高く、20人のクラスを3クラス設け、放課後に週2日実施しています」と、佐々木先生は説明する。

 なお、中学生向けにも「ファウンデーションJr.」「国際英語塾Jr.」を開いており、無理なく学べる講座を実施している。今年は夏休みに、校内で「英語漬け」になる中学生向け「イングリッシュブーストキャンプ」も行った。8月22~24日の3日間、12人の生徒が参加し、午前9時から午後1時まで、外部から招いたネイティブの教師と共に「平和について」といった話し合いをして英語で発表した。「中学生はやはり、いつも学校にいるのと違うネイティブの先生の前だと、緊張してしまう。そこを乗り越えて普段の学習の成果を発揮することで、自分の英語力に自信が付くようです」と、担当した古賀先生は話す。

オーストラリア、英国、カンボジア、台湾で研修

今年度始まったカンボジアでの短期海外体験
今年度始まったカンボジアでの短期海外体験

 こうした英語学習の成果を試し、さらに力を伸ばせる場が、希望者を対象に毎年実施している「オーストラリア語学研修」と「英国語学研修」だ。

 中高生を対象とする12日間の「オーストラリア語学研修」では、ニューサウスウェールズ州のタムワースという町で、ホームステイをしながら地元の「カリンヤ・クリスチャンスクール」という学校に通い、同年代の子供とバディを組んで教室で通常の授業を受ける。

 同スクールの生徒たちが入れ替わりに来日し、アレセイア湘南の授業を受けたり、文化交流したりする機会もある。生徒たちは帰国後も互いにSNSで連絡を取り合っているそうだ。「オーストラリア語学研修」は、生徒たちの間では「オーストラリアに友達ができる」と人気で、希望者が多いため選考して参加者を絞らなければならないほどだそうだ。

 高校生を対象とする12日間の「英国語学研修」では、ウェールズ北部にある町バンガーでホームステイをしながら、地元バンガー大学で授業を受ける。同大は指定校推薦の提携先でもあり、留学の下見を兼ねて参加した生徒が、「やはりこの大学に進みたい」という気持ちを強くすることもあるそうだ。

 また、今年度からカンボジア、台湾での短期海外体験も加わった。それぞれ5日間で、中高の希望者が対象だ。歴史的に重要な場所を訪ねたり、文化を学んだりするほか、現地の高校生たちとの交流も行う。引率した中学募集室長で社会科の辰巳直之先生は、「子供たちの共通語はやはり英語。現地の生徒がどんどん話しているので、『自分ももっと頑張らなければ』と、刺激を受けたようです」と言う。

 各語学研修に同行してきた佐々木先生は、「現地の先生方からは、『ものおじせずに、活発に話す。日本人の生徒としては珍しいくらいだ』というお話をいただいています」と言う。「全校生徒にアンケートを取ると、『英語が好き』という生徒が9割を超えます。やらされているからやるのではなく、好きだからやる。それを実現できる場がある。これからも、そういう環境をさらに充実させていきたいと考えています」

 (文:足立恵子 写真:中学受験サポート 一部写真提供:アレセイア湘南中学高等学校)

 アレセイア湘南中学高等学校について、さらに詳しく知りたい方は こちら

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