「相互関税」にサマーズ元米財務長官「私なら抗議の辞任」、ノーベル賞・クルーグマン氏「完全に狂っている」
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【ワシントン=田中宏幸、ニューヨーク=小林泰裕】米国のトランプ大統領が導入を発表した「相互関税」に対し、米国の有識者や産業界からも批判が相次いでいる。世界経済への悪影響に加え、不透明な税率設定を問題視する声が多い。

クリントン政権で財務長官を務めたローレンス・サマーズ氏は3日、X(旧ツイッター)への投稿で、「政権が関税データを使用せずに相互関税率を計算していたことは明らかだ。もし私が関わった政権がこれほど危険で有害な経済政策を打ち出していたら、抗議の意を込めて辞任していただろう」と痛烈に批判した。
ノーベル賞経済学者のポール・クルーグマン氏も、自身が配信するニュースレターで「彼(トランプ氏)は完全に狂っている。想定よりはるかに高い関税を課しただけではなく、貿易相手国について虚偽の主張をしている」とつづった。
中小企業を中心に米国内の1万4000社が加盟する全米製造業協会は2日、「新たな関税のコストは投資や雇用、サプライチェーンに打撃を与え、製造業の超大国である米国の立場を脅かす」と非難。アマゾン・ドット・コムなど1300社超が加盟する全米民生技術協会も2日、「相互関税は米国人への大規模な増税であり、インフレを加速させ、雇用を奪い、米国の景気後退を引き起こす可能性がある」と懸念を示した。
一方、トランプ氏は3日、相互関税について、米国の製造業復活に向けた意義を強調した。大統領専用機内で記者団に対し、関税引き上げを病気の治療のための手術に例え、「患者(米国)は重病だった。手術は完了した」と述べた。政権の関税政策を支持する声もあり、米CBSによると、全米自動車労働組合(UAW)は「関税は雇用を米国に呼び戻し、米国の労働者に投資することにつながる」と歓迎した。