プーチン氏が米特使と4時間半会談、停戦協議は進展せず…トランプ氏いらだち「非常に不満を募らせている」
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【ワシントン=淵上隆悠】ロシアのプーチン大統領は11日、西部サンクトペテルブルクで米国のスティーブン・ウィトコフ中東担当特使と会談した。ウクライナ情勢を巡り停戦条件などを協議したとみられるが、約4時間半の会談後も成果は公表されなかった。追加制裁を示唆し、ロシアに譲歩を促しても停戦協議が進展せず、トランプ米政権はいらだちを募らせている。

米国のキャロライン・レビット大統領報道官は11日の記者会見で、会談は「停戦と最終的な和平合意に向けた交渉プロセスの新たな一歩だ」と述べた。一方で、トランプ大統領がウクライナとロシアの双方に「非常に不満を募らせている」とも語った。
会談に先立ち、トランプ氏はSNSに「ロシアは行動を起こさなければならない。あまりに多くの人が無意味な戦争で命を落としている」と投稿。米ニュースサイト・アクシオスは11日、4月末までに停戦合意ができなければ、トランプ政権は新たな対露制裁に踏み切る可能性があると報じた。
ウィトコフ氏とプーチン氏の会談は3回目。米露とも会談の詳細は公表していないが、露側はこれまで、黒海の部分停戦を巡り対露制裁緩和を条件に挙げるなど、時間稼ぎとも取れる対応を繰り返してきた。
タス通信によると、今回の会談に先立ち、ドミトリー・ペスコフ露大統領報道官は記者団に、会談は「画期的な成果を期待する理由はない」と述べ、プーチン氏が露側の懸念を伝える機会になるとの認識を示していた。
一方、トランプ政権内には交渉方針で意見の相違があるようだ。
ロイター通信は11日、複数の関係者の話として、ウィトコフ氏が先週、ホワイトハウスでトランプ氏に面会した際、停戦交渉の進展のため、ウクライナ東・南部4州のロシアの領有を認めるよう進言したと報じた。同席したウクライナ特使のキース・ケロッグ氏が異議を唱え、トランプ氏も決定を下さなかったという。
ロシア寄りの発言が目立つウィトコフ氏だが、外交経験は浅く、身内からも手腕を疑問視する声がある。