尹錫悦・韓国大統領を罷免に追い込んだ戒厳令とは何だったのか…閣議5分、そのまま国民向けTV演説へ
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【ソウル=依田和彩】戒厳令を宣布した韓国の

尹氏は、政権幹部らに対する弾劾訴追案提出など政権の手足を縛る野党へのいら立ちを強め、2024年春頃から「反国家勢力のせいで国が困難に陥っている」と周囲に戒厳令宣布の可能性をにおわせた。
12月3日夜、戒厳令を宣布するため国務会議(閣議)を開催したが、わずか5分で終了した。尹氏はそのまま国民向けのテレビ演説を行い、戒厳令を宣布した。
宣布直後に戒厳兵を選管に
尹氏の戒厳令宣布から約5分後には、戒厳兵がソウル近郊
選管への軍投入は尹氏が金国防相に指示し、不正選挙疑惑を解明することが目的だった。尹氏は弾劾審判で「選管の電算システムがどのようなものか点検する」程度だったとも話した。
戒厳兵が国会に進入
3日午後11時50分頃には、国会を封鎖するよう指示を受けた陸軍精鋭部隊「707特殊任務団」などが次々と国会に到着した。隊員らは実弾を保持せず、訓練用に準備していた空砲弾を携帯していた。
国会議事堂の正門付近は戒厳兵の進入を阻止しようとする国会職員らでごった返し、隊員らは別の場所から窓ガラスを割って中に入った。弾劾審判の証人として出廷したキム・ヒョンテ団長は「(国会議事堂の)正門に人が多く集まっているのを見て慌てて、自分の判断で窓を割って中に入った」と話した。
6時間後の戒厳令解除
国会では4日午前1時3分、戒厳令解除に向けた決議案が出席議員190人全員の賛成で可決された。同4時27分には
弾劾審判の最終意見陳述で尹氏は「軍人が民間人に危害を加えたことはなかった」「平和的に進められた」と強調した。